自宅や自室に大量に物をため込んでしまう「ごみ屋敷」が2013~15年度に沖縄県内で少なくとも102件確認され、うち約4割に当たる42件の家主が認知症の疑いのある65歳以上の高齢者であることが、沖縄タイムスが23日までに実施した41市町村アンケートで分かった。

(資料写真)ごみの山

 認知症のほか、周囲に支える人のいない孤立や、セルフネグレクト(自己放任)などが背景にある。本人の了承がなければ片付けられない一方で、本人や親族が支援側との関わりを拒むなどで、解決に長期を要するケースが相次いでいる。

 「ごみ屋敷」に明確な定義はなく、浦添市など正確な数を把握できないとした自治体も複数あり、全体の件数はさらに膨れ上がる可能性が高い。放置すれば本人の心身の健康を損ねたり、近隣トラブルにつながる恐れもあり、全国で制定の進む対策条例の必要性を挙げる市町村も出ている。

 アンケートで最も確認件数が多かったのは那覇市の45件で、このうち21件の家主が認知症疑いの高齢者だった。次いで名護市17件(認知症疑い6件)。都市部だけでなく、本島北部町村や小規模離島など県内全域で確認されている。

 認知症や精神疾患による判断力低下のほか、体力や生活意欲の衰えなど、複数の原因が絡み合うケースも多く、福祉や医療のケアが不可欠との声もあった。家族や行政がごみを片付けた後も、ケアにつながらず再びごみ屋敷状態に陥る事例もあり、本島中部では8年以上たっても解決できない認知症高齢者宅があった。

 内閣府の10年の調査では、ごみ屋敷状態などに陥っている高齢者は全国に約1万800人と推計されるが、実態は明らかになっていない。全国の先進自治体では、条例でごみ屋敷の定義を定めて独自の支援に乗り出しているが、県内での動きは進んでいない。(社会部・篠原知恵、島袋晋作)