東京で中央省庁の官僚と話していると、時に思うことがある。「自分の意見を政策に反映させたらいいのに」と。経済政策についてである

▼「GDP600兆円」など、いわゆる安倍政権の「新三本の矢」の政策に批判的な意見を聞く。政権がいう「成長」だけの勇ましい言葉ではなく、効率的な「分配」で社会の質を維持する方が大事なのだと訴える

▼社会保障や子育ての充実策は欠かせない課題である。他方、1千兆円を超す国の借金財政からの再建も両立させなければならない。解決の道筋は見えず、生活者の不安が晴れる気配はない

▼企業の「分配」も、改善が求められよう。本紙のキャンペーン「『働く』を考える」の23日付紙面のアンケートが物語る。低賃金への不満が大きいことが示された

▼物価や家賃は県外と変わらないのに、給料が安い。他県と同じ仕事でも年収が大幅に減る。市場の狭さや、付加価値が低い産業構造、離島県ゆえのコスト高…と不利な面は長く変わっていない。富が一部の層だけに固定されていないか。抑えていた「不信感」が噴出しつつあるように映る▼高校生以下の貧困率が約3割との厳しい調査が相次ぐ。貧しさから抜け出そうとも、かなわぬ若者がいる現状をどう考えるか。貧困の連鎖を絶ち、生まれたかいのある社会にしなければと思う。(宮城栄作)