国会での証人喚問の多くは「記憶にございません」などの証言が繰り返され、議員の質問をかわしたり、はぐらかす場面に終始する

▼23日に衆参両院の予算委員会で喚問された森友学園理事長の籠池泰典(本名・康博)氏の証言は明瞭だ。安倍晋三首相から昭恵夫人を通じ100万円の寄付を受けたと主張。評価額から8億円余り値引きされた国有地の売却を巡る政治家の関与も「あっただろう」と述べた

▼それでも、今回の喚問で納得したという人は少ないだろう。それは、一方の当事者である昭恵夫人らの証言をただす機会がないためだ

▼安倍首相は24日、「私も妻も事務所もまったく関与していない」とし、「100万円の寄付」についても改めて否定した。その上で、自民党は野党側が求めた昭恵夫人らの証人喚問を拒否した

▼安倍首相と祖父・寛氏、父・晋太郎氏の軌跡を追ったジャーナリスト青木理氏の「安倍三代」(朝日新聞出版)に紹介された地元の首相評は「軽い」というものがほとんどだ

▼安倍家の選挙を長年応援する一人は安倍首相に対し、「批判されると、すぐに『絶対ありえません』。さらに批判されると『丁寧に説明する』。丁寧に説明しないヤツに限ってそう言うんだ」と厳しい。真相解明はこれから。幕引きは「トカゲの尻尾切り」にしかならない。(与那原良彦)