『深夜特急』や『一瞬の夏』などのノンフィクション作品で知られる作家の沢木耕太郎さんが3月29日のタイムスホール(那覇市久茂地)での講演会を前に、本紙にコメントを寄せた。沢木さんは昨年末、最新作の小説『春に散る』を出しており「小説を書くことで外部に向かっていた眼が内部に向かうようになっているような気がする」と自身を分析。「出発と回帰-日本からの」という講演テーマとどう重なり合うのか、沢木ファンのみならず関心を集めそうだ。

沢木耕太郎氏

小説『春に散る』に込めた思い

 講演会は沖縄タイムスの創刊70周年プレ企画。29日午後6時半から那覇市久茂地のタイムスホールで開かれる。前売り券1500円(当日500円増)。

 小説『春に散る』は2015年4月から16年8月まで朝日新聞に連載された。沢木さんは、元東洋ミドル級王者のカシアス内藤の再起を懸けた自作のノンフィクション『一瞬の夏』を念頭に「60代の主人公がやり遂げるべき何かを求めて歩いていく」フィクションだと朝日新聞のインタビューに答えている。

 沢木さんによると、『春に散る』の主人公は元ボクサーで、その主人公がアメリカから帰国するところから始まり「彼(主人公)は日本を発見し、自分自身を発見する」とも紹介している。

団塊世代こそ聞いてほしい

 沢木さんの講演会を08年に企画した沢木耕太郎を聴く団塊世代の会代表世話人の仲村守和さんは「『深夜特急』などの著書は昭和22年生まれの団塊世代に影響を与えた。70歳近くになっても執筆活動を続ける同世代の沢木さんがどう後の人生を見つめているのか。今後も社会に貢献できるよう元気と勇気をもらいたい」と団塊世代の聴講を期待している。

 前売り券は県内主要プレイガイドで発売中。問い合わせは沖縄タイムス社文化事業局、電話098(860)3588(平日午前10時~午後6時)。