「皆様の心の暖かさ、差しのべてもらった手を大事にしながらこれからも頑張っていきます」(原文ママ)-。沖縄子どもの未来県民会議に対する企業や個人からの寄付を財源に、2016年度創設された給付型奨学金で今春、大学や専門学校へ進学する9人が29日までに、支援者への感謝と新生活への抱負、警察官や看護師を目指す夢などを文面で寄せた。

給付型奨学金を受け進学する生徒から、県に届いた手紙

 奨学金は児童養護施設や里親家庭などからの進学者が対象。入学金と在学中の授業料を全額支給する。

 4月から県内の短期大学で学ぶ女子生徒は、講義や教員に期待を膨らませ「見ず知らずの私に奨学金を寄付してくれるなんて本当に言葉にできないほどの感謝の気持ちでいっぱい」「人の本当の優しさを持ち、当たり前の事を普通に出来るすてきな人間になりたい」とつづった。

 きょうだいが多く、ぎりぎりまで就職を考えたという別の女子生徒は「経済的にも厳しい環境の中で大学へ行けるのは恵まれたこと。このチャンスを生かしたい」と大学へ。大阪市内の専門学校に進む男子生徒は「生活費や家電など1人で生活していく上で必要な物などをそろえる必要があったのでとても助かった」と感謝した。

 保育士志望の男子生徒は「昼は働いて夜は学校に通う想像もできないような生活がスタートする。自立の覚悟と自覚を育みつつ、たくさんの応援を背にうけて一歩ずつ歩んでいきたい」と誓った。

NPO支援など決定 子どもの未来県民会議

 子どもの貧困解消に県民運動で取り組むため、昨年6月に官民100団体余で発足した「沖縄子どもの未来県民会議」(会長・翁長雄志知事)の第2回総会が29日県庁であり、総額7515万3千円の2017年度予算案を承認した。活動の柱となる子ども未来支援事業には5340万円を計上し、児童養護施設退所者らが対象の給付型奨学金助成を継続。新たにNPO法人の支援や困窮世帯の高校生らの通学にかかるモノレール運賃の軽減に取り組むなど、支援を拡充する。

 企業や個人からの募金・サポーター会費は16年度、多めに見積もった目標額2億円に対し約5千万円の実績となる見込みで、17年度は実施事業などを踏まえ3840万円が必要と算出した。