「そこに存在しないことで均衡が保たれる事がある、そしてそこにいなくてもその影響は及ぼし続ける」と、この映画の感想を述べたコメンテーターがいた。

「たかが世界の終わり」の一場面

 長年疎遠になっていた家族のもとに死期が近いことを知らせようと訪れる作家のルイ。母、兄、妹、兄嫁の4人はそれぞれの思いで彼を迎えるが、ルイのいない間に彼らの中で熟成された感情がほとばしり、ルイは立ちすくむばかり。家族の中では嫉妬や憎しみ、悲しみさえも愛なのだ。

 家族というのはある種息苦しいものだ。他人なら笑って見過ごせることが家族だとできない。諦めて手放してしまえばいいものを、家族だとできない。親の庇護(ひご)の手を離れて大人になってもそれは変わりなく続く切なく苦しい距離感。名優5人の演技にうなるしかない。(スターシアターズ・榮慶子)

シネマパレットであす4月1日から上映予定