うそつきは誰?真実はどっち?観客までもが真実を見失い、惑わされ、何も信じられなくなる。映画館の暗闇の中、決して忘れ得ない恐怖を植え付けられたはずなのに、思い返すと心地よささえ感じる甘い毒のような韓国映画。

「哭声/コクソン」の一場面

 主人公は警察官・ジョング。彼の村で村人が自身の家族を惨殺する事件が多発。犯人の共通点は皆、廃人のように目はうつろで言葉を失い、肌は湿疹でただれている。

 同じ頃、村で「よそ者」の日本人のうわさが広がる。「あいつが来てから事件が起こった」と。うわさ話を鼻で笑っていたジョングだが、事件は続き、まな娘の体にも例の湿疹が浮き上がり、言動に異変が生じ始める。見えない脅威に振り回されて憤るジョングを待っている結末とは。「よそ者」を演じる國村隼の圧倒的存在感は日本人の誇り。(桜坂劇場・下地久美子)

桜坂劇場で4月15日から上映予定