沖縄県北谷町議会の宮里歩議員(38)が「産休」に入った。第1子の妊娠9カ月で迎えた町議会3月定例会を終え、29日、田場健儀議長に欠席届を提出し受理された。2015年に全国町村議会議長会などが標準会議規則を改正し、欠席理由に出産を明記してから、県内の市町村議会で初めてのケースとみられる。(中部報道部・下地由実子)

3月定例会を終え「産休」に入る宮里歩議員=27日、北谷町議会

 宮里議員は「先例ができたら若い人が議員になりやすくなるのでは。政治も変わると思う」と話した。「産休」は3月29日から7月6日まで。6月定例会や臨時議会は欠席する。

 以前は、議員の出産に伴う欠席は「事故」扱い。標準規則改正に伴い、県内議会でも日数を定めてあらかじめ欠席届を出せる内容で規則の改正が進んだ。北谷町議会の場合、出産予定日の前後計111日間を休むことができ報酬の減額もない。議会を欠席するだけで全ての議員活動を休むわけではないとの理由からだ。

 産休取得には「他の議員はじめ周りが赤ちゃんを歓迎してくれて、特にハードルはなかった」という宮里議員。とはいえ長時間座りっぱなしとなる本会議では、議員控室に布団を持ち込み横になることもあった。

 今後の課題は、子育てとの両立だ。議員に育休制度はなく、子どもの看病などでの欠席は「事故」扱い。

 特に子どもが生後4カ月となる産休明けの9月定例会をどう乗り切るか、不安もある。「夫は仕事があり保育園も決まっていない。授乳の問題もある。ファミリーサポートを頼んだり、議員控室を使わせてもらえたりしないか相談している」と、子ども連れの出勤も視野に入れる。

 町議会事務局は柔軟に対応したいとの姿勢だ。比嘉良典局長は「赤ちゃんは議場に入れないが、控室や役場の授乳室使用など方法を考える。何しろ初めてのケース。制度を深められる運用を探りたい」と話す。

 宮里議員は「議会でも仕事と家庭を両立できる環境が必要だ」と訴える。「妊娠を機に視野が広がった。復帰したら幅広い声を拾い政治に生かしたい」と話した。