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  • サンゴを食い荒らすオニヒトデのゲノムを、OISTなどのチームが解析
  • 特異なタンパク質を出して、仲間を集めている可能性が高いと結論
  • その習性を利用して「オニヒトデホイホイ」のような駆除に期待も

 サンゴを食い荒らし減少の一因とされるオニヒトデが、生殖期に特異なタンパク質を出して仲間を集めている可能性があることを、沖縄科学技術大学院大学(OIST)などの研究チームが成果をまとめた。5日(英国時間)、英科学誌ネイチャーのオンライン版に掲載された。タンパク質を使って1カ所に集める「オニヒトデホイホイ」のようなものが開発できれば、駆除の効率化が期待されるという。

沖縄の近海でサンゴを食べる、とげに覆われたオニヒトデ(沖縄科学技術大学院大の座安佑奈氏提供)

 研究チームは、オニヒトデの全ゲノムを世界で初めて解読し、特異なタンパク質を見つけた。OISTマリンゲノミックスユニットの佐藤矩行教授と博士課程学生のケネス・バックマンさん、オーストラリア海洋科学研究所、クイーンズランド大学の共同研究。

 沖縄本島と豪州グレートバリアリーフのオニヒトデ1個体から、それぞれDNAを抽出しゲノムを解析。オニヒトデは別のオニヒトデが出す特異なタンパク質に反応して集まることが確認された。これらはオニヒトデ同士だけを誘い寄せるのに役立っている可能性が高いと結論づけた。

 オニヒトデの食害でサンゴの消滅が危惧されているが、県内では漁師やNPO法人などが1匹ずつ取り除いている。佐藤教授は「豪州ではすでに特定されたタンパク質を大量につくる作業に着手している。一網打尽にできれば駆除の効率化が図れる。共同で開発したい」と述べた。

 オニヒトデ 毒のあるとげに覆われたヒトデ。体長は直径30センチほどだが、大きいものは約60センチに成長。サンゴを食べるため、「サンゴの天敵」とされる。1年間に数百万~1千万個の卵を産む。日本では沖縄や四国、紀伊半島近海などに生息する。