北朝鮮は5日、同国東岸の新浦付近から日本海に向け、弾道ミサイル1発を発射した。核・ミサイル開発を進める北朝鮮の挑発行動が止まらない。

 2月12日に固体燃料式の新型中距離弾道ミサイルを発射したのに続き、3月6日には弾道ミサイル4発をほぼ同時に発射した。在日米軍基地を攻撃目標とした発射訓練だったという。

 3月22日、発射した弾道ミサイルが数秒内に空中爆発。そして今回は、6~7日に米中首脳会談が開かれる直前の発射である。圧力に屈しないとの意思を示し、米中をけん制する狙いがあると見るべきだろう。

 6回目の核実験や、米本国に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験も、最終準備段階に入った、とみられている。

 オバマ前政権の「戦略的忍耐」政策は北朝鮮の核開発を止めることができなかった。

トランプ政権は、軍事力の行使を含むあらゆる選択肢を排除しない、との姿勢を崩していない。

 トランプ氏は、中国の「北朝鮮への影響力行使が不十分」だと不満を抱いており、英フィナンシャル・タイムズ紙のインタビューで「中国が解決しなければ、我々がやる」と単独行動も辞さない考えを示した。

 国連安全保障理事会の制裁決議を無視し、「核保有国」の道を突き進む北朝鮮に対し、米中はどのように対応していくつもりなのか。その成否は、米中が協調できるかどうかにかかっている。

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 北朝鮮という国は予測不可能な国である。何をしでかすか分からない。そのような国が核兵器を保有すること自体、大きな脅威となる。

 ミサイル基地の限定的な爆撃や特殊部隊による斬首作戦などが、テレビ・メディアを通して、お茶の間にもひんぱんに流れるようになった。

 軍事行動の可能性が高まっているのだという。

 だが、米国は何を根拠に予防攻撃をするのか。イラク戦争の過ちを繰り返すようなことがあってはならない。

 北朝鮮が求めているのは、米国との直接交渉であるが、北朝鮮が核保有国であることを認めてしまえば、核拡散防止条約(NPT)がいっそう形骸化するのは確実だ。われもわれもと核保有ドミノが広がるおそれがある。

 核軍縮ではなく核戦力の強化を掲げるトランプ政権は、どのような論理で北朝鮮に核放棄を迫るのだろうか。核保有国の核戦力強化はNPTの精神に反する。

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 予測不可能な要素があまりにも多く、そのことが不安を高めている側面もある。

 はっきりしているのは、利害の異なる米中がばらばらなままでは、北朝鮮の核・ミサイル開発に歯止めをかけることはできないということである。米中日韓が「対話と制裁」で足並みをそろえること。危機的状況が深まっている今ほど、米中日韓の緊密な協調が求められるときはない。

 米中首脳会談は北朝鮮政策の行方を左右する大きな分かれ目になるだろう。