日本新聞協会は4月6日の「新聞をヨム日」に合わせ、「HAPPY NEWS 2016」の結果を発表した。県内からは障がいがある子と父親のエピソードを紹介した琉球新報の記事を読んだ、儀間真治さん(68)が「HAPPY NEWS賞2016」、介護職の過酷さと誇り、やりがいを描いた沖縄タイムスの記事を読んだ、瀬底凜さん、蘭さんが「HAPPY NEWS家族賞」に選ばれた。「HAPPY NEWS大賞」には広島市の財満純子さん(69)が選ばれた。

「ひいおばあちゃんに読んであげたかった」と話す瀬底凜さん(右)、蘭さん姉妹

「父子の姿が強く印象に残っている」と話す儀間真治さん=西原町

「父子の姿が強く印象に残っている」と話す儀間真治さん=西原町 「ひいおばあちゃんに読んであげたかった」と話す瀬底凜さん(右)、蘭さん姉妹

障がい者と共生 実感 儀間真治さん(68)

 【西原】「記事で約40年前の謎が解けた」。1972年、儀間真治さん(68)が那覇市内で就職したころ、昼休みに国際通りを散策していると、驚くような光景を目の当たりにした。父親が障がいがある子の手を引いて一緒に散歩していたのだ。儀間さんは「障がいのある子を隠そうとするのが当時の世相だった」と振り返る。

 やがて2人を見なくなり、時が過ぎた。記憶も薄れかけたころ、2016年9月28日と10月26日付琉球新報の金口木舌の記事に2人のエピソードが紹介されていた。父親は故・松島朝永弁護士で、父親が他界して兄弟が散歩を引き継いだことなどが書かれていた。

 「すぐに当時の記憶がよみがえりました」。時を経て、障がいがある人を街で見ることも、彼らが働く姿を目にするのも普通の光景になりつつある。「何でもないことが、何でもないと感じられる時代になった。みんながもっと支え合いの心を持てば」と、より成熟した社会に期待を込める。

 新聞は地元紙と全国紙に目を通すのが毎日の日課。「地元目線で間違っていることはきちんと指摘できる新聞を期待します」とエールを送った。

過酷な労働実態 介護士に敬意 瀬底凜(17)蘭(13)さん

 【北中城】瀬底凜さん(17)=球陽高3年=と妹の蘭さん(13)=北中城中2年=は、4年前に101歳で他界した曽祖母の姿と重なる記事に目が留まった。

 2016年5月4日付の沖縄タイムスの記事。「介護職 過酷16時間夜勤」が主見出しの老人保健施設のルポ。読み進められたのは「分刻み 呼び出し音70回超」「誇り・感謝の言葉 やりがいに」の中見出しがあったからだ。

 介護施設で亡くなった曽祖母は職員に対し「ごめんね、ありがとう」が口癖だった。何度も呼び出すことに罪悪感を感じていたのだろう。凜さん、蘭さんは衰えていく姿とその言葉が忘れられず、介護の話題も無意識に避けてきた。

 記事は過酷な労働実態と同時に、介護福祉士が仕事の誇りとお年寄りからの感謝の言葉にやりがいを感じ、呼び出し音と同数の「ありがとう」を聞いたと締めくくる。

 蘭さんは「介護の仕事は仕方なくやっていると思っていたけど、やりがいも感じていることを知った。ひいおばあちゃんに読んであげたかった」。凜さんも「この記事で気持ちが楽になった」と話す。2人は「見出しのおかげでこの記事で出合えた。心がじんわり温かくなるニュースをもっと取り上げてほしい」と笑顔で注文した。