那覇市立識名小学校の校門前で半世紀以上、子どもたちの成長を見守ってきた文具店の閉店を惜しみ、NPO法人が4月から店舗を引き継いで放課後学童クラブを開所した。下校までの時間は親子連れや住民が気軽に利用できる地域の居場所として運営する。住民らは「シャッターが閉まらなくてよかった」「引き続き子どもたちを見守ってほしい」と期待を寄せる。(写真部・田嶋正雄)

校門前の「いどばた学童クラブ」開所を祝う地域住民や関係者=3日、那覇市繁多川

 「いどばた学童クラブ」を開設したのは、市立繁多川公民館指定管理者のNPO法人「1万人井戸端会議」。10日に入学式を迎える新小学1年生8人が入所し、今後も児童を募集していく予定だ。

 波平文房具店は識名小の開校当初から57年余り、校門前で営業してきた。店主の波平カヨ子さん(75)は児童の登校時の見守りや周辺の花の手入れを長年続け、地域に親しまれたが、高齢となったこともあり今年2月で閉店した。地域からは「親子2代でお世話になった」「寂しくなる」などと惜しむ声が多かった。

 地域の声を受け、「1万人井戸端会議」が子どもや地域住民が利用できる新たな拠点として店舗の借用を決めた。子どもたちの下校時刻までは親子連れなどが気軽に立ち寄れるカフェとして運営する。

 文房具店を経営してきた夫の波平元維(もとしげ)さん(78)は「子どもたちの安全や安心を考えると、シャッターを下ろすことには抵抗があった。公民館活動で地域から信頼されている団体が子どものための場所として引き継いでくれるのはありがたい」と喜んだ。

 3日の開所式には地域住民ら約20人が参加。店舗を引き継ぐ1万人井戸端会議の南信乃介代表から波平さんに感謝状が贈られた。南代表は「子どもと地域の皆さんが力を合わせられる地域の居場所になればうれしい。子どもたちのけんかも成長の過程と思って、みんなで見守っていきたい」と抱負を語った。

 いどばた学童クラブの續(つづき)洋子代表は「さまざまな家庭の事情に応じ、緩やかに対応する。地域の方々が気軽に立ち寄れる敷居の低い居場所にしていきたい」と話した。