【那覇】AED(自動体外式除細動器)の使い方を知り、救命措置を学ぶきっかけ作りにしようと、KBC学園グループの卒業生らが子ども向けの絵本「ちいさなきゅうきゅうたいいんチョコくん」を制作した。原案者の与儀信也さん(32)が、自身の祖母が倒れた際に行動に移せなかった経験を省みて「救命措置を学ぶことは、大切な人を守ることにつながると知ってほしい」と企画した。

原案者の与儀信也さん(左から3人目)、作画した新垣鈴奈さん(左から2人目)、編集などで協力した未来高校の教諭ら=那覇市泉崎・未来高校

 与儀さんは、沖縄大原簿記公務員専門学校の卒業生。2年前から心肺蘇生法を学べる絵本の構想を練り、昨年度、那覇市の助成事業を受け実現した。

 作画を担当する人を探し母校の系列校の教諭に相談したところ、未来高校3年生だった新垣鈴奈さん(18)を紹介された。

 未来高校の教諭らの協力のもと、昨年7月からキャラクター設定やラフスケッチを作り始め、ことし3月末に全22ページの絵本が完成した。

 主人公は、取りえがないことを悩むキツネの男の子「チョコ」。救急隊員のゾウのおじさんからAEDの使い方など救急手当てを教わったことで、けがをして意識を失った友達を助けることができ、自信を取り戻すストーリーだ。

 心臓マッサージをする場面では、押すと音が出る「鳴き笛」をページに貼り付け、楽しみながら心臓マッサージのポーズを覚えられる仕組みを取り入れた。

 「チョコ」を自分自身に重ねたという与儀さん。「勇気を出して行動すれば、応援してくれる人がいることも伝えられたら」と話す。

 新垣さんも「自分の絵が絵本という作品になり感動。今後もいろいろな絵を描いていきたい」と完成を喜ぶ。

 制作した全200部は那覇市に寄贈し、保育園など子どもが利用する施設に配布される。6月には宜野湾市の助成事業を受け増刷する予定だ。

 与儀さんは「絵本をきっかけに、救急時に何ができるか考える人が増えればうれしい」と話した。