那覇少年鑑別所の飲酒に関するアンケートで、2016年に入所した少年少女166人のうち96%に当たる159人が「飲酒経験あり」と答えていたことが分かった。

 友だちや先輩に誘われて、中学1年生ごろをピークに飲み始め、3人に1人は週1回以上と習慣化していた。

 驚いたのは、お酒を飲む理由に「周りとの付き合い」を挙げた子が多かったことだ。酒が人間関係をつなぐコミュニケーションツールとなっている。

 「大半が幼少の頃に興味半分で万引を始め、自転車暴走、自転車窃盗を経て、小学高学年になると地域の不良中学生との交友が始まる。そこで喫煙・飲酒を教えられ、オートバイ無免許運転に発展し、オートバイ窃盗、自販機荒らしなど本格的な窃盗へとつながっていく」

 深刻な沖縄の少年非行の傾向を専門家はこう説明する。

 悪いことと分かっていても、子どもは集団になると罪悪感が薄れ、羽目を外しがちだ。

 家庭に問題を抱え、学校にも居場所がなければ、地域の遊び仲間が心のよりどころとなる。上下関係の厳しい非行グループの先輩に酒を勧められれば断ることは難しいという。

 子どもは社会を映す鏡である。

 一部の少年の問題と特別視せず、非行の入り口とされる未成年飲酒の問題として、調査結果を今後の対策に生かしてもらいたい。

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 調査では親と一緒に飲んだ経験がある子が14%に上る一方、子どもが飲んでいることを知らなかったり、分からないなど親が飲酒にさほど関心を寄せていない実情も浮かび上がった。

 しつけや教育の不十分さ以前に、「親子が互いの行動や気持ちに適切な関心を持っていない」という結果だ。 

 飲酒に寛容な沖縄社会の病理に加え、養育力の欠如といった家庭の問題が垣間見える。

 未成年者の飲酒は急性アルコール中毒やアルコール依存症になりやすいなどリスクが高い。事件・事故につながるケースも少なくない。

 2月に恩納村で発生したバイク死亡事故は、小学6年の男児が酒気帯び状態でバイクを運転して転倒し、同乗の男子中学生が亡くなるという痛ましいものだった。

 3月には那覇市内で女子中学生がバイクの酒気帯び運転で逮捕されている。

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 法律で禁止されているから「飲むな」と雷を落とすだけでは解決しない問題だ。友人の誘いを断れば仲間外れにされる不安がよぎるかもしれない。 

 少年鑑別所で取り組んでいるように、学校や家庭、地域でも早い段階から酒の害を教え、規範意識を醸成していくことが重要である。体や心に悪影響を及ぼすという正しい知識があれば、断る勇気も生まれるはずだ。

 子ども同伴での居酒屋利用など夜型社会の改善は大人の責務である。沖縄特有の「飲酒文化」にも本気で向き合わなければならない。