沖縄県内を拠点に映像・写真作品を制作する作家の山城知佳子さんが、15日に京都で開幕する国際写真祭「KYOTOGRAPHIE2017」に参加する。昨年発表し、話題を呼んだ「土の人」をはじめ6作品を出品する個展「土の唄」が、堀川御池ギャラリーの3室を使って1カ月間開かれる。山城作品は14日から韓国・ソウルで始まる企画展「ムーブ・オン・アジア」にも招待されたほか、新設の「アジアン・アート・アワード」のファイナリストに選ばれるなど、国内外で注目が高まっている。(学芸部・吉田伸)

「土の人」の1シーン(2016年)©Chikako Yamashiro

◆通底する「愛」

 今年5回目を迎える国際写真祭のテーマは「LOVE」。歴史的建造物の寺社や町家など16会場で各作家の個展が開催される。日本からは国内で新作を初公開する荒木経惟さんや山城さんら3人。海外からはロバート・メイプルソープや、アンディ・ウォーホルの肖像写真を撮影したアーノルド・ニューマンらの作品が紹介される。山城さんは「海外の来場者も多い展覧会と聞いている。多くの人に見てもらえるいい機会で、すごくうれしい」と喜ぶ。

 昨年11月、京都の同志社女子大で企画された展示やワークショップに呼ばれた山城さんの元を、国際写真祭ディレクターのルシール・レイボーズさんと仲西祐介さんが訪ねた。昨夏の「あいちトリエンナーレ」で「土の人」を見ていた2人は、国家主義が高まる風潮の中、本質的な人間の愛を考えるテーマを企画、山城作品に「LOVE」が通底するとして展示を求めたという。

 「土の人」は軍事基地がある辺野古や韓国・済州島などを舞台に、時を超えて生きる抑圧された人々の抵抗や希望を、3面ハイビジョン映像で表現した23分間の作品。山城さんは「『土の人』を発表して以降、韓国や台湾など各地の美術展だけでなく、写真展にも呼ばれている。これまでにない展開で、広がっている」と声を弾ませる。