【森田のりえ通信員】北米沖縄県人会文化部の前部長・下地のり子さん(62)は、アメリカに渡り看護師として奮闘しながら、健康長寿の秘訣(ひけつ)などについて講習会などを開き、紹介している。沖縄の文化を知る活動の一環として5月29日、県人会館に集まった約60人にスピーチし、人々のために何かしたいと看護師を目指した自分の人生や沖縄の人々の食生活などを紹介した。

アメリカで看護師として活躍する北米沖縄県人会文化部の前部長、下地のり子さん

 宮古島出身の下地さんは、宮古島の高校を卒業後、看護師として県立那覇病院で勤務。実習で出産に立ち会った際の強烈な感動から助産師になりたいと上京したが、病気の妹のため宮古島の実家に戻り、県立宮古病院で働いた。仕事と妹の看病の中で健康の大切さを痛感。「人助けをしたい。人の役に立ちたい」と思ったという。

 その後、看護協会主催のハワイ実習に参加し、自分もアメリカで勉強しようと1987年、語学留学を経て有名なロサンゼルス近郊のロマリンダ大学に入学。「なせば成る。なさねば成らぬ何事も」の信念の下、カリフォルニア州の看護師ライセンスを取り直し、日系老人ホームで働きながら永住権を取得した。

 2005年、アメリカの雑誌「ナショナル・ジオグラフィック」で世界三大長寿圏の一つに沖縄が取り上げられた。09年には長寿沖縄としてテレビでも紹介されるなど注目を集めた。

 そこで下地さんは「沖縄の長寿の秘訣ヌチグスイ」について研究。県人会の85歳以上の健康な人たち145人のうち25人について食生活、家族の状態、社会活動、人間関係などを含めた健康の秘訣についてインタビューし、10年に修士号の卒業論文にした。現在はリバーサイド郡保健局の保健師として「公衆衛生、病気にならない生活」などについて講習会を開き教えている。

 今秋の第6回世界のウチナーンチュ大会に参加し、各国から参加する看護師たちと交流することを楽しみにしているという。「アメリカに来た目的を達成しました」と、下地さんは話していた。