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  • 沖縄県内には、首長選の無投票が10年以上続いている離島がある
  • 必要性はわかるが、もめ事を懸念。遺恨が残り締め付けられる例も
  • 識者は「選挙は住民による行政の『健康診断』」と必要性を指摘

 沖縄県伊江村では1973年以来44年ぶりの村長選挙が16日投開票されたが、沖縄県選挙管理委員会によると、県内市町村の首長選ではこの10年間でみると、南北の大東村でそれぞれ無投票が続いている。無投票の続く地域の住民は、選挙はあるべきだとするものの「争いごとはない方が一番いい」とも語り、思いは複雑だ。一方、実施している地域では「小さな島では選挙で住民が二分されている」との声も聞こえる。(政経部・伊集竜太郎)

(資料写真)投票

■選挙あるべきだけど…

 県選管によると、10年以上無投票が続いている自治体は、北大東村で1979年、南大東村では2002年を最後に村長選が実施されていない。東村では15年4月に20年ぶりの村長選があった。

 北大東村のある住民は「いろんな人の考えや政策を聞いて判断できる機会だから、選挙はあるべきだと思う」と話す。ただ、「小さな島だから選挙となれば争いになる。人間関係も近いし、もめ事がないのが一番いい」と複雑な心境を吐露。人材不足も無投票の要因に挙げた。

■住民が二分される

 一方、任期満了に伴う村長選がほぼ毎回実施されているという、ある離島の住民は「選挙のたびに住民が二分される。負けた候補者を支援した建設業者は任期中の4年間締め付けられる」と内情を明かす。

 むしろ島の発展の阻害要因にしかなっていないとも言い切り、「こんな状況なら選挙をせずに、政治的にまとまった方がいいと思う」。

■4年に1度の健康診断

 照屋寛之沖縄国際大学教授(政治学)は「無投票は、住民の声が反映されることなく、一部の有力者たちが彼らに都合の良い人間を密室で選ぶおそれがある」と指摘する。

 「離島は人口減少など課題が多く、住民が対立している場合ではない」と強調。選挙が終われば「ノーサイド」で、お互いが地域の発展のため、二分しない形でまちづくりを進めるべきだと語る。

 選挙による政策論争の中で地域の抱える課題も浮かび上がらせることができるとし、「選挙は、4年に1度の住民による行政の『健康診断』のようなものだ。診断で『不具合』があれば次の選挙で政権が代わるため、行政内に緊張感も生まれる」と話した。