総務省が公表した2016年10月1日時点の人口推計によると、外国人を含む日本の総人口は6年連続で減少した。増加したのは7都県だけ。沖縄県の増加率は0・40%で、東京に次いで第2位だった。

 沖縄県の人口動態を見る場合、数字の持つ二面性に留意する必要がある。

 15歳未満の年少人口の割合が最も高いのは沖縄県(17・2%)である。この数字は、急速に高齢化が進む他県に比べ、沖縄県の年齢構造が若いことを示している。

 その一方、15歳から64歳までの生産年齢人口の割合は前年の63・0%から62・4%に減り、65歳以上人口の割合が初めて20%を超えた。

 人口に占める65歳以上人口の割合を示す高齢化率は依然として全国で最も低いが、高齢化の波は沖縄にも確実に押し寄せているのである。

 コップの中の水を見て「まだ残っている」と安心するか、「だいぶ減ってきた」と気を引き締めるか。

 国立社会保障・人口問題研究所の予測は衝撃的だ。1965年には高齢者1人を現役世代9・1人で支える「胴上げ型」の社会構造だったが、2065年には1・2人で支える「肩車型」になる、という。

 高齢化が進めば、社会保障経費が増え、増える社会保障経費を賄うため負担増や給付減が進む。県内の非正規雇用率は全国で最も高く、賃金水準は全国最下位。親や祖父母の面倒を見ようにも子や孫にはゆとりがない。安穏としてはいられなくなった。

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 将来の超高齢社会にどう備えるか。東京大学名誉教授の吉川洋さんは、近著の「人口と日本経済」で指摘している。「人口が減るから経済成長が無理という議論は正しくない」

 吉川さんが重視するのはイノベーション(技術革新)の役割である。イノベーションによって生産性を高め、超高齢社会にふさわしい新しいモノやサービスを生み出すことが成長につながる、という見立てだ。

 しかし、民間企業に投資や賃上げを促す政府の政策は、成功しているとはいえない。先の見えない「低欲望社会」だけに企業は投資よりも貯蓄に走りがちだ。

 中小・零細企業が多く、資本力の弱い沖縄の企業に必要とされるものは何か。

 公共事業や基地関連収入をあてにする他力依存型経済から脱皮する強い意思を持つこと、官民挙げての意識改革・仕組み改革が大切である。

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 沖縄が学ぶべきは強靱(きょうじん)な競争力を持つスイスの観光立国戦略である、と地域エコノミストの藻谷浩介さんは指摘する。

 高い輸送費をかけて運んだ島外産の食材を観光客に提供するのではなく、地元で生産したものを地元で消費し、観光マネーが域内で環流するような経済構造をつくれ、というアドバイスだ。

 東京に目を向け中央に依存するのではなく、沖縄とアジア各国が直接つながる仕組みをつくることも、極めて重要な課題である。