【沖縄】病気やけがなどで頭髪を失った18歳未満の子どもに髪を寄付する活動「ヘアドネーション」のため、沖縄市泡瀬の渡慶次花梨さん(12)=沖縄東中1年=と母の直美さん(44)がこのほど、市内の美容室で一緒に「断髪式」に臨んだ。花梨さんは生まれてから一度も髪の毛を切ったことがなく、150センチの身長とほぼ同じ長さ。直美さんも膝元まであった長い髪をばっさり。母娘は「役に立ててもらえれば」と笑顔で話した。(中部報道部・赤嶺由紀子)

ばっさり切った髪の毛を手にする(左から)渡慶次直美さん、娘の花梨さん、ヘアドネーションを勧めた祖母の當真美江さん=沖縄市松本・美容室「ヘアーDco」

 元々長い髪が好きな直美さんは花梨さんの長い髪を編み込みしたり、洗髪を手伝うなどして一緒にケアしてきた。直美さんも直近で髪を切ったのは7年ほど前だ。花梨さんが4月から中学に進むのを機に、そろそろ切ろうかという話が出た。その際、直美さんの母で花梨さんの祖母の當真美江さん(74)がヘアドネーションを勧めた。

 沖縄市赤十字奉仕団活動をしている當真さんは、日ごろから花梨さんに社会貢献の大切さを伝えてきたという。「ただ髪の毛を切るのではなくて何か役に立てることがないか」と思っていたところ、ヘアドネーション活動を新聞で知り、「寄付してみたら」と提案。2人は即答で「OK」した。

 「断髪式」は16日。渡慶次さん一家は、これまでもへアドネーションを手掛けている市松本の美容室「ヘアーDco」を訪れた。最初は「早く切りたい」と話していた花梨さんだったが、美容室も初体験とあって鏡の前で少々緊張した表情。オーナーの真玉橋克さん(33)は「こんなに長い髪は初めて。すごい」と驚き、「切りますね」と声掛けしながらカットした。

 花梨さんの髪を庭先で乾かすのをよく手伝っていた當真さんは、記念にと勧められて「はさみ入れ」。孫の成長とともに伸びた髪を感慨深げに見つめた。カットした1メートル余ほど長さの髪の束は、母娘合わせて七つできた。

 肩までのセミロングになった花梨さんは「頭が軽くなった。役に立ててうれしい」、直美さんも「短くなってびっくり。少しでも役立ててほしい」と晴れやかな表情だった。當真さんは「とてもいい体験になった。うれしいです」と目を細めた。