県経済を引っ張っている観光が好調だ。

 2016年度の入域観光客は876万9200人に達した。4年連続で過去最高を更新。県が目標にしていた840万人を超え、国内客640万人、外国客200万人のいずれも突破した。

 県外と離島の新規就航路線が好調であることと、近隣の国・地域からのクルーズ船の増加が数字を押し上げた。

 右肩上がりの観光客数を受け、県は3月に第5次県観光振興基本計画を改定。21年度までに入域観光客数を従来の1千万人から1200万人(国内客800万人、外国客400万人)に上方修正した。

 国内客を現行の800万人に据え置く一方で、外国客は倍増の400万人を想定している。ポイントはクルーズ船の呼び込みである。

 県内へのクルーズ船の寄港回数は16年に前年を大幅に上回る387回と過去最多を更新。福岡県を抜き、初めて全国トップとなった。17年もさらに伸びる見通しだ。

 那覇港管理組合は那覇新港ふ頭地区の西側にクルーズ船専用の第2バースを計画。県は中城湾港新港地区への受け入れを検討している。本部港と平良港が国の国際クルーズ船の拠点港に選ばれ官民で岸壁や施設整備をする方針だ。

 旺盛な需要に対応するために国、県、関係機関はバースの整備を急いでほしい。過密を理由に受け入れを断るケースが少なくないからだ。

 外国客のニーズに応じて寄港地が分散できれば、県全体にとっても有益だ。

■    ■

 受け入れ態勢で改善すべき点は多い。クルーズ船が那覇新港の貨物用岸壁に接岸した場合、外国客は別の場所に移動してタクシーを待たなければならない。県は外国客を国際通りまでバスで運び、タクシーに乗り換える案をクルーズ船側に示している。実現すれば乗車に費やす時間が大幅に短縮されるだろう。

 CIQ(税関、入国管理、検疫)をスピーディーにすることも重要だ。特に離島では職員が足りない。

 県がまとめた空路、海路を利用した「外国人観光客実態調査報告書」(15年度)では、食事や観光、宿泊の「おもてなし」に高い満足度を感じる半面、外国語対応能力やWi-Fi(ワイファイ)、両替については満足度が低い。

 改善に努めているとはいえ、外国客にリピーターになってもらうためには受け入れサービスの充実など長期滞在したくなるような質の高さも同時に追求しなければならない。

■    ■

 入域観光客1200万人を実現するには宿泊施設の確保が必須だ。県は「入域観光客数1千万人、平均4泊」を想定していたときでさえ、宿泊施設が1日8500室足りないと試算していた。

 宿泊施設を補うためには「民泊」が選択肢となろう。県内の自治体は沖縄の文化が体験できるような民泊のルールづくりが可能かどうか、その道も探ってほしい。

 県には新しい目標値を達成するための課題を洗い出し、外国客を取り込む戦略を描いてもらいたい。