イタリアの田舎町にある映画館を舞台にした映画「ニュー・シネマ・パラダイス」は、主人公の少年トトの瞳が強く印象に残っている。スクリーンの中の世界に胸を躍らせる心情が伝わってきた

▼21日、糸満市の真壁小の教室では、トト少年のように瞳を輝かせた児童135人が、MASA MAGIC(マサ・マジック)さんのマジックにくぎ付けになった。沖縄タイムス創刊70周年プレ企画の小学校巡回事業での一コマだ

▼子どもたちを引きつけたのはマジックだけではない。「夢をあきらめないで」と繰り返して語る熱い言葉にも引き込まれていた

▼中学、高校と県内の進学校に進んだMASAさん。友人らが弁護士や医師、公務員を志望する中、マジシャンになる夢は周囲から反対された。「でも、好きなことを貫き通した」というMASAさんは渡米し、プロのマジシャンになった

▼少年トトに映画の魅力を教えた映写技師は、青年になったトトに「自分のすることを愛せ」と語り、故郷から送り出す。MASAさんを導いたのは、憧れの有名マジシャン、セロさんの口ぐせ「ビリーブ(信じる)」

▼夢を実現するには、時に背中を押し、苦しい時を支えてくれる「魔法の言葉」が必要だ。MASAさんはこれから離島を含めた県内各地の32校を巡る。夢の種まきが始まった。(与那原良彦)