勤めていた那覇市立中学校の校長からパワーハラスメントを受けて精神疾患を発症したとして、元教頭の女性(59)が那覇市教育委員会に約4750万円の損害賠償を求めて那覇地裁に提訴していることが21日までに分かった。県教育庁によると、パワハラによる提訴は過去に例がないという。市教委はパワハラ行為は認める一方、女性が降格した経緯などを巡って一部否認しており、現在和解協議が進められている。(社会部・嘉数よしの)

(資料写真)那覇地裁

 提訴は昨年3月。訴状などによると、元校長は2011年10月、資料の作成状況を確認する際、女性に「能力がない」「言い訳ばかりするな」などと繰り返し罵倒したという。既に張り終えていた掲示物が張られていないと勘違いして叱責(しっせき)したこともあり、女性はうつ病を発症した。校長を監督する立場の市教委が「安全配慮義務を怠った」と指摘している。

 市教委によると、元校長は前任校でも高圧的な指導を問題視する声があったという。

 女性はその後、年休や病休を経て休職。市教委から「病休中は教頭の補充ができない」と説明されたため、11年12月に降格を申し出たという。12年4月には教諭として他校に異動したが、回復せず13年3月に退職した。

 女性は現在、病気のため意思疎通が困難で、夫(59)が代わって争っている。夫も介護のため早期退職しており、「悪いことをしていないのに、非常に苦しい思いをしている。謝罪も受けていない。ほかに犠牲者を出したくなくて提訴に踏み切った」と話している。

 市教委の担当者は本紙の取材に対し、「限度を超えた難詰があったと認定し、元校長には口頭で厳重注意した」と説明。一方、病休中は教頭の補充ができないと市教委から説明を受けたという女性の主張に対しては、「事実と違う」と反論している。