「取材の後、頭で考えたことを誤字脱字なしで、きれいな文章にしてくれる機械があったらいいのに」。新聞記者が集まった酒席でよく出る話題の一つだ

▼記者に限らず、文章を書くことが困難な人にとって、朗報になるのだろうか。米交流サイト最大手のフェイスブックが指や音声を使わずに、頭で思い浮かべた言葉が文字になって入力できる技術を開発中と発表した

▼外科手術で脳に張り付けたセンサーからの信号を基に文章をつづる技術は既にあるが、同社が目指すのはこれとは異なる。米ニュースサイト「テッククランチ」によると、脳を毎秒100回スキャンして光学画像を作り、人の考えを解析して文字にする

▼もちろん、ものぐさな記者のためのプロジェクトではない。四肢などのまひで、コミュニケーションが難しい障がい者のための活用が可能だと同社。さらに聴覚障がい者向けに、皮膚が感じる振動で情報を伝達する技術開発にも取り組んでいるという

▼人が考えていることが、本人の了解なしに勝手に読み取られてしまう懸念もあるが、コミュニケーション技術の大きな進歩の可能性を秘めている

▼同社の当面の目標は、1分間に100の単語を入力すること。人と世界をつなぐテクノロジーは、どこまで進化していくのか。開発の進展が気になる。(玉城淳)