2017年(平成29年) 12月17日

大弦小弦

[大弦小弦]サッカーJ1ガンバ大阪のサポーターが16日の試合中、ナチス親衛隊(SS)の…

 サッカーJ1ガンバ大阪のサポーターが16日の試合中、ナチス親衛隊(SS)のマークに酷似する応援旗を掲げた。球団は謝罪し、旗を振った約70人の団体に無期限の入場禁止、全ての旗の当面禁止を決めた

▼団体側は球団に「デザインの一環。政治的意図はなかった」と説明。かつてSSの軍服に似た衣装を着たアイドル「欅(けやき)坂46」「氣志團(きしだん)」も同様の釈明をしたが、無知は免罪符にならない

▼日本代表GKの川島永嗣選手は2011年8月、ベルギーでの試合中に相手ファンの「フクシマ」コールを浴びた。福島第1原発事故に苦しむ人々を揶揄(やゆ)するような連呼に試合を止め、涙で抗議した

▼多くの日本人は「知らなかったでは済まされない」と思うだろう。ならば、600万人のユダヤ人を虐殺したナチスのシンボルを使う行為にも、迫害された側に立って考える必要がある

▼文芸評論家の陣野俊史氏は「サッカーと人種差別」(文春新書)で「スタジアムの中が特殊なのではない」と記す。「人種差別的言葉の応酬が起こる背景には、その言葉が普通に使われる社会が存在する」

▼23日、沖縄市であったFC琉球の試合のハーフタイムに映像が流れた。有名選手が次々登場し、「全ての差別や暴力とサッカーは闘う」とのメッセージ。闘わなければいけないのはサッカー界だけじゃない。(磯野直)

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