プラスチックチューブで造った構造物が恐竜や大型動物のように動く作品で世界の注目を集めているオランダのアーティスト、テオ・ヤンセンさんの個展が10月から那覇市の県立博物館・美術館で開かれる。那覇市でカフェを営む戌亥(いぬい)近江(ちかえ)さん(44)が企画。美術館や企業の招聘(しょうへい)ではなく個人が企画する展示は世界で初めてという。戌亥さんの熱意にテオさんがほだされた。(学芸部・吉田伸)

テオ・ヤンセンさんが造る「ストランドビースト」(浜の生き物)=2016年9月、オランダ(戌亥近江さん提供)

 テオさんは風や水など自然の力を利用して動かす想像上の生き物「ストランドビースト」(浜の生き物)をプラスチック樹脂の配管や結束バンドで制作。改良を重ね「進化」が見えるシリーズを作り続けている。

 滋賀県出身の戌亥さんは2008年に沖縄に移住し、カフェを開いている。テオさんの長年のファンで、2年前「沖縄のきれいな海で歩いているビーストが見たい」と直接メールを送った。友人のデザイナーや美容師らと話し合い、展覧会を実現する実行委員会を結成、県立美術館にも相談した。

 最初は疑問視したテオさんも計画が具体化するのを聞き、開催を承認。昨年9月、戌亥さんは沖縄の海の写真集を携えてオランダでテオさんと対面した。

 沖縄の展覧会にはテオさんも訪れる。動くビーストのうち最大のものは長さ約12メートル、幅1メートル70センチ、高さ2メートル。館内ではエアーコンプレッサーで空気を送り込んで動かす予定だ。

 運営費は膨大だ。7月から始まるアジア地域を巡回するツアーに組み込むと輸送費を抑えられると、テオさんから助言を受けたが、不足分が多い。「子どもたちや美術に興味がない人でもワクワクする作品。興味がある人は個人でも賛同していただけたら」と呼び掛ける。11月中旬には南城市のビーチで歩かせる企画も進めている。

 問い合わせは電話098(943)4343(Cafeプラヌラ内)。