どうも腑に落ちない。沖縄市が、市職員の私物の宅配用荷物を市役所で受け取れる仕組みを始めることにだ(本紙22日付)。取り組みの理由に、宅配業者の再配達による負担軽減を挙げる

▼インターネット通販の拡大で宅配便の利用が急増する中、受取人不在による再配達が増えている。人手不足や長時間労働が問題化し、便利さの恩恵を受けている消費者として、業界の実情は人ごとではない

▼市の「企業支援の一環」との思いにけちをつけるつもりはない。ただ、職員の私物の荷物を市役所で受け取れるようにするよりも、まず市民が利用できる仕組みを考えることが先ではないか

▼いわずもがなだが、市役所は市民の税金で運営する公共の場。地方自治に詳しい立命館大学の村上弘教授は「職員の労力とスペースの一部が職員へのサービスに転用されるのは問題」と指摘する

▼京都府は本年度、多くの人が荷物を受け取ることができる共同利用の宅配ボックスを設置する事業者へ助成を始める。形は違うが、市民目線に立った仕組みづくりは知恵次第だろう

▼「市民の理解が得られない」「便利になる」。市役所内でも賛否の声はある。市は半年間の試行期間を設けて課題などを検証するという。当然ながら「企業支援」の名の下に、公私混同があってはならない。幅広い点検が必要だ。(赤嶺由紀子)