沖縄防衛局は25日午前9時20分、名護市辺野古の新基地建設に向け、米軍キャンプ・シュワブ沿岸部を埋め立てる護岸工事に着手した。2014年の事業開始後、埋め立て工事は初めて。大量の石材や土砂などが投下されれば原状回復は困難となる。1996年の普天間飛行場返還合意から21年、重大な局面を迎えた。

辺野古新基地建設に向けた護岸工事で、ネットに入った石材が海に投入される=25日午前9時26分、名護市の米軍キャンプ・シュワブ(下地広也撮影)

護岸の断面

沖縄防衛局が25日に護岸工事に着手した地点

辺野古新基地建設に向けた護岸工事で、ネットに入った石材が海に投入される=25日午前9時26分、名護市の米軍キャンプ・シュワブ(下地広也撮影) 護岸の断面 沖縄防衛局が25日に護岸工事に着手した地点

 辺野古新基地は、国内で復帰後最大の米軍基地建設となる。沖縄県内には新基地建設反対の声は根強く、政府の強行的な工事着手に一層反発が強まるのは必至だ。

 防衛局が着手したのはシュワブ北側の「K-9護岸」と呼ばれ、埋め立て区域の外枠となる堤防の一部。政府は、護岸が完成した箇所から土砂を投入し埋め立て工事を進める。年度内にも土砂を海中へ投下する方針だ。

 この日は、砂浜のクレーンが15分の間に袋入りの石材5個を波打ち際に置いただけで、海に関する作業は終わった。砂浜に近い海上では市民らがカヌー17艇で抗議行動し、「違法な工事をやめろ」と怒りの声を上げた。

 計画では約160ヘクタールを東京ドーム16・6杯分に相当する約2062万立方メートルの土砂で埋め立てる。埋め立て工事に5年、全体工期は9・5年を見込んでいる。政府は、大浦湾の2カ所を埋め立て箱型コンクリート「ケーソン」を仮置きする海上作業ヤードの整備にも近く着手する見通しだ。

 辺野古新基地を巡っては、14年12月に翁長氏が建設反対を訴え、知事に就任。15年10月に埋め立て承認を取り消したことで国と訴訟になり工事は一時中断した。16年12月の最高裁判決で取り消しが違法と判断され、防衛局は今年2月に建設作業を再開した。

 翁長氏は建設阻止に向け工事差し止め訴訟のほか、承認撤回も明言しており、今後、知事の対抗策に注目が集まる。知事を支持する団体からは、撤回を後押しするため新基地建設の是非を問う県民投票実施へ向けた具体的な動きも出始めている。