敗戦後のシベリア抑留を経験した詩人、石原吉郎に「ペシミストの勇気について」というエッセーがある。 囚人は寒さと飢え、ソ連兵の暴力に襲われ、互いを蹴落とさなければ生き残れない。そんな極限状態にあって、加害者になることを拒否した人物がいた。鹿野武一という。 収容所と作業現場の往復は必ず5列行進だった。