ぷりぷりした歯ごたえと、豊かなうまみを楽しめる町魚・トビウオを新たな特産品にしようと4月、沖縄県八重瀬町トビウオプロジェクト協議会が発足した。町ぐるみで漁から販売まで一貫した流通体制の構築に挑む。協議会のメンバーは、まず、おいしさを広めようと27日にオープンしたばかりの観光拠点施設「南の駅 やえせ」でにぎりずしと、だし入りそばを売り出した。(南部報道部・堀川幸太郎)

仲与志さんが手がけるトビウオのにぎりずし(左)と仲地さん考案のトビウオの粉だし入り沖縄そば=27日、八重瀬町具志頭の「南の駅 やえせ」

八重瀬の町魚・トビウオ

仲与志さんが手がけるトビウオのにぎりずし(左)と仲地さん考案のトビウオの粉だし入り沖縄そば=27日、八重瀬町具志頭の「南の駅 やえせ」 八重瀬の町魚・トビウオ

 協議会は町や漁協、商工会、鮮魚店、卸売業、飲食業者ら11人で構成。会長は地元の漁師町・港川の唯一のトビウオ漁師、樋岡邦彦さん(65)=港川漁協組合長=が務める。専用の船で定期的に水揚げし、新鮮な料理を出す飲食店を町内に増やす考え。味を伝えながら、本土ではトビウオの価格高騰を呼んだ高級品の「あごだし」のような加工品の流通につないで漁業振興を試みる。

 昔は、大漁で船が沈んだとさえ伝わるほどのトビウオ産地だった港川。特産品にならなかったのは、中骨が多く、さばく手間が掛かる上に傷みが早いからだ。

 「障壁」だった中骨を工夫したさばき方で除き、にぎりずしにしたのは港川で鮮魚店を営む仲与志昌亮さん(45)。年配の男性を中心とした通好みではなく、女性や子どもでも楽しめるようにという心遣いだ。脂乗りや食感が異なる4つの部位別に切り分けたネタは長さ約10センチとシャリを覆う大きさで、ほおばると口いっぱいに豊かな味わいが広がる。1皿4貫250円。水揚げ量によって、品切れの場合もある。

 だし入りの沖縄そばは町伊覇の飲食業、仲地康英さん(44)が考案。スープは丸ごと一匹分の粉だしを使い、昆布や鶏がらなどと煮て数日寝かせる。澄んだ琥珀こはく色と、ふくよかな香りとコク深い味、のどごしのよさが特徴だ。1杯650円から。

 仲与志さん、仲地さんはともに「いずれ、沖縄中の家々で食卓に上るような特産品を育てるために頑張りたい」と口をそろえた。

 二つのトビウオ料理が味わえる「南の駅 やえせ」は午前10時~午後7時に営業。冬は午後6時まで。問い合わせは同所、電話098(851)3824。