52回目を迎える憲法講演会(主催・県憲法普及協議会など)が3日午後1時半から、那覇市西の男女共同参画センターてぃるるで開かれる。講演する弁護士の馬奈木昭雄さん(75)=福岡県=が2日、本紙などの取材に応じ、国の圧力に負けず、権利を主張する大切さを語った。

「権利を勝ち取る闘いが必要」と語る馬奈木昭雄弁護士=2日、那覇市内

 台湾出身で1969年に弁護士となった馬奈木さんは、米軍占領下を肌で感じたいと考え、翌年に沖縄の地を踏んだ。嘉手納基地をフェンス越しに見ていると、米兵に突然銃を突きつけられた。「怖かった。人権がないとはこういうことかと思い知った」という。

 熊本水俣病の患者や家族らが69年、廃液を垂れ流した新日本窒素肥料(現チッソ)を訴えた「水俣病第1次訴訟」では原告弁護団に加わった。「ただ今より、国家権力と闘う」と熊本地裁前で宣言した故渡辺栄蔵原告団長の姿が忘れられない。「被告はチッソだが、背後にある国の責任を見抜いていた」と振り返る。

 チッソは被害者に見舞金を支払い、代わりに責任を追及しないという合意を被害者から取り付けていた。馬奈木さんは「金をやるから文句を言うなということ。国は沖縄や福島で同じことをしている。金をばらまいて国策に従わせている」と指摘する。

 2日は名護市辺野古の新基地建設反対運動の現場を視察。抗議船で海上を視察中、国に雇われた警戒船に退去を迫られ、「かつての諫早湾でもそうだった。住民を分断し、不満を押さえ込むのが国の常とう手段だ」と憤る。

 キャンプ・シュワブゲート前では、警官が抗議市民を排除する現場を見た。「反対するわれわれの排除が警察の仕事か」と訴える市民の言葉にうなずいた。

 国家権力の暴走を食い止めるため、馬奈木さんは3日の講演で「住民が黙ることなく、権利を訴え続けることの大切さ」を話す。「漁をする権利も、静かに暮らす権利も、そこで生きる人が勝ち取ってきたものだ」

 その上で「米軍基地や原発の建設を根拠に、国が主権者の権利を奪う根拠は憲法にない。私も、沖縄の人から多くのことを学びたい」と意気込んだ。

 講演会の入場料は一般700円、学生500円、高校生以下は無料。