「俺が俺だからひかれたんだろ。受け入れろよ」

「モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由」の一場面

 妻の愛を一身に受けながら裏切り続け、許され続けてきた男がついに離婚を切り出された時に言い放った一言。

 本作のタイトル「モン・ロワ」を日本語に直訳すると「私の王様」。ほれた弱みで、王様に振り回され続けた主人公トニーの成長物語。

 正直、ばかげてると思う。でも、身も心もめちゃくちゃになるくらい誰かと愛し合いたい願望はどうしても湧き出てくる。ズタズタに傷つきながら危険な男が時折みせる特殊な愛に身を焦がし、短い至福の時を全身で堪能するトニーの美しさは尋常じゃない。

 バカな女と切り捨てることは簡単。だけど、自分を守ることもせず、周囲の意見も無視してジェットコースターのような恋愛に身を委ね、一喜一憂できるのはもはや才能。恋愛界の天才に会いに来て!(桜坂劇場・下地久美子)

桜坂劇場で上映中