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  • 版画家、絵本作家の儀間比呂志さんが作った木彫レリーフが見つかる
  • 高さ約1.8m、幅約2m。青年時代を過ごした南洋群島の女性がモチーフ
  • 儀間さんの知人が購入後、兵庫県内のギャラリーで保管されていた

 肺炎のため4月11日に94歳で死去した那覇市出身の版画家、絵本作家の儀間比呂志さんが制作した大作の木彫レリーフ(浮き彫り)が、兵庫県宝塚市内のギャラリーに保管されていることが6日までに分かった。儀間さんは生前に絵画や版画を多く手がけているが、人物の等身大のレリーフ作品はほとんど知られておらず、関係者が「こんな大作を手がけていたとは」と驚きの声を上げている。

宝塚市内のギャラリーに保管されている儀間さんのレリーフ作品(岡理恵さん提供)

故儀間比呂志さん

宝塚市内のギャラリーに保管されている儀間さんのレリーフ作品(岡理恵さん提供) 故儀間比呂志さん

 作品は高さ約1・8メートル、幅約2メートルで、さまざまな大きさの木彫パーツを組み立てて構成。現在、宝塚市内のギャラリー「メダカ工房」を運営する岡理恵さん(58)が保管している。

 儀間さんの知人が50年以上前に購入後、儀間さんに木版画を教えてもらった経験のある岡さんが、約8年前から作品を預かっている。個人蔵のため、これまでほとんど人目につかなかったが、儀間さんの死去を契機に作品を知ってほしいと岡さんが名乗り出た。

 関係者によると作品は「髪を洗う女」というタイトルで、儀間さんが青年時代を過ごした南洋群島の女性がモチーフ。色紙大のレリーフが個展などに出品される機会はあったが、等身大の大作の存在はほとんど知られていないという。

 岡さんは「儀間さんは教え子の個性をそのまま認めて指導してくれた。沖縄で飾ってくれる場所があれば、みなさんに見てもらえる機会ができる」と説明。

 儀間さんと親交のあったジャーナリストの新川明さんは「こんなに大きく複雑な儀間さんのレリーフは見たことがない」と指摘。南洋も沖縄も植民地化されていたとして「同じ立場の人間同士として、親近感を持っていたことを感じさせる作品だ」と評価した。