「うむがー焼きを知っていますか?」。玉城淳さん(59)は沖縄県本部町渡久地の本部町営市場で土日だけ、うむがー焼きの店をオープンする。懐かしい昭和のお菓子は、ほんのりとした甘さが好評だ。

うむがー焼き

うむがー焼き器

土日にうむがー焼きの店を開ける玉城淳さん=4月29日、本部町営市場

うむがー焼き うむがー焼き器 土日にうむがー焼きの店を開ける玉城淳さん=4月29日、本部町営市場

 うむがー焼きは今川焼きに似た沖縄の焼き菓子。あめを包む皮に星印が付くのが特徴だ。

 玉城さんによると、沖縄では戦後よく食べられていたという。沖縄そばと同様、小麦粉の配給で広まったのではないかといわれている。中は当初、うむにー(サツマイモを煮てつぶしたもの)のあんだったが、小豆に変わっていった。

 玉城さんが作るうむがー焼きは、小豆に紅芋ミックスを混ぜたあんを使用する。皮には砂糖を加えず、あんをほんのりと甘くしている。

 本業は印刷業の玉城さんが、うむがー焼きの店を始めたのは5年前。10年前、町で最後のうむがー焼きを作っていた店がなくなり、寂しさを感じていた。

 糸満市や沖縄市にもあるらしいと聞き、訪ねてみたことも。どうにかして再現できないかと思案している時、名護市のリサイクル店で焼き器を見つけた。「これはやるべきだと思い、一念発起した」

 昔食べた味を思い出しながら、友人らに毎日のように試食してもらい、今の味に落ち着いたという。店を訪れた同町の新川千賀子さんは「昔はどの家にも、うむがー焼き器があった。私の祖母もよく作ってくれた」と懐かしんだ。

 玉城さんは持ち前の明るさで台湾、韓国の外国人観光客らとやりとりする。「お金の数え方などを直接教えてもらい、商売に必要な会話を習得した。台湾でも似たような菓子があるようだ。ここに来るお客さんとの会話がとても楽しい」とうれしそうに話した。(赤嶺幸代通信員)