宝くじの「聖地」は長蛇の列ができていた。「億の細道へようこそ」の看板を横目に、誰もが無口でじっと順番を待つ

▼東京・銀座の西銀座チャンスセンター。平成に入り479人の億万長者を生んだ日本で最も有名な売り場だ。六つの窓口のうち行列ができるのは1番窓口だけで、なぜか二つある。人気を反映してのことだろうが、片方は実質2番になるのでは、と思ってしまうのは邪推というものか

▼1996年に1億円となった最高当せん金は、高額化の一途をたどってきたが、販売額は2005年の1兆1047億円を筆頭に減少傾向にある

▼みずほ銀行宝くじ部の担当者は「宝くじは景気に左右されない手軽な娯楽」と語るが、高額化の裏返しで「当たらなさ感が広がっている」という

▼都道府県別でみると、沖縄は1人当たりの購入額(15年)は9081円で、東京、高知に続いて3番目に高い。県民所得の低い2県が上位に連ねているのも意外だ

▼10日から発売が始まったドリームジャンボを「聖地」で買った帰り道。心躍らせたのもつかの間、「当たらなさ」が頭をもたげ、散財したような後ろめたさが押し寄せた。たとえ外れたとしても、宝くじの収益金は自治体を通して福祉やインフラ整備に充てられる。寄付したと思えばいい。そう言い聞かせて都会の雑踏に紛れた。(西江昭吾)