清く正しく生きろと親には言われてきたけれど、「正しさ」を振り回して、無意識のうちに誰かを、何かを傷つけていることも少なくない。

「追憶」の一場面

 共通の苦い過去を背負った少年3人が長じて再会を果たすが、被害者と容疑者と刑事となった3人のその関係性は危うく、疑心暗鬼からのスタートだった。

 3人とも幼い頃親の愛に恵まれなかった分、それぞれの家族への思いは深い。彼らがそれを守るために取る方法は、正しいばかりではないかもしれないが、愛にはあふれている。

 次世代を担っていくであろう俳優陣の演技は素晴らしく、数々の邦画の名作を撮影してきた降旗康男監督と木村大作カメラマンの大御所コンビに身を委ねて、苦さをかみしめながら生きる人間の悲しみを好演している。(スターシアターズ・榮慶子)

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