その一歩が、名護市辺野古の沿岸で基地建設が強行され、嘉手納基地では夜間でも米兵が降下する沖縄の現実を直視する出発点になる。そして、沖縄を取り巻く問題をたどり、心に刻む歩みになる

▼「5・15平和行進」が12日始まった。県内外から1100人以上が歩く。道程の無事と実りある行進になることを祈りたい

▼以前、平和行進の経験がある京都市の20代男性を取材した時の話が印象に残っている。平和行進中、警備している若い機動隊員に「観光客は帰れ」と言われた男性は自問を繰り返した。「たまに沖縄で反対を訴えるだけでは観光客と変わらないのではないか」

▼男性は「沖縄戦の犠牲や広大な米軍基地を押し付けたのは日本の問題。自分もその一員」と認め、「問題の現場は日々暮らす場所にある」と訴えた

▼平和行進について、大阪市大正区で沖縄の差別問題などに取り組む関西沖縄文庫の金城馨さんは「行動を起こさなければ、沖縄に寄せる思いは閉ざされたままだ」と指摘した

▼今回で40回目、これまでに延べ40万人以上歩いている。一人の力は小さいかもしれない。随筆家の故岡部伊都子さんの言葉が勇気を与える。「武器なき民衆には何の力もないように思われますけど、決してそうではない。『署名する、歩く、座りこむ、また集まるのも大きな力』」。(与那原良彦)