県環境部は12日、米軍北部訓練場のH、G地区の着工に向けて沖縄防衛局が11日提出した県赤土等流出防止条例に基づく3件の「事業行為通知書(案)」の受理を保留し、県と協議する考えがあるか確認する文書を送付した。事前の協議がなく、工事の開始・終了時期など一部に空欄があったためで、15日までの期限で回答を求めている。今後の方針は回答内容で判断する。

 事業者が民間なら、県は受理から45日以内に審査し、着工を了承するか判断しなければならない。事業者が国の場合は「45日審査」が義務付けられておらず、防衛局が「通知はした」という解釈で県の受理を待たずに着工する可能性がある。これまでは、国も民間に準じた審査を受けていた。

 防衛局が11日に提出した「環境影響評価検討図書」は県環境影響評価条例に規定はなく、県環境部の大浜浩志部長は「取り扱いや工事スケジュールなどで県の意見を聞く余地があるか確認しており、局の回答を踏まえ対応を検討する」との認識を、12日の県議会一般質問で明らかにしている。回答に期限は設けていない。

 「検討図書」は「何を想定し出されたのか分からない」(県環境政策課)とし、意図を確認する。工法の変更が主な提出の理由とみられるが、県は「前例がない」としている。

■完成2カ所だけ ヘリパッド6カ所計画

 東村と国頭村にまたがる米軍北部訓練場への6カ所のヘリパッド建設は、1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で訓練場の過半となる約4千ヘクタールの返還の条件とされた。沖縄防衛局は2007年7月に工事着手、当初は09年度内の完了を目指した。だが地元の強い反対で工事は遅れ、14年7月にN4地区の2カ所が完成しただけ。日本政府は地元から反発が上がる中、15年2月にこの2カ所を先行提供した。

 政府は残るN1地区の2カ所、G、Hの計4カ所の工事着手を急いでいる。N1とGは14年度、最後のHも16年度に入札を終えているものの、建設に反対する市民の阻止行動で着工できていない。

 毎年、3~6月は国の特別天然記念物ノグチゲラなど希少種の営巣期間に入るため工事ができない。防衛局は営巣期間の終了に伴い、7月11日早朝、資機材を搬入、中断しているN1地区での工事再開に向け、作業を開始した。