【北部】郷土料理チーイリチャー(豚の血の炒め煮、チーイリチー)が本島で一時的に食べられなくなっている。調理に欠かせない豚の血を唯一扱う名護市食肉センターの態勢に不備があるとして、沖縄県が4月11日以降の出荷停止を指示した。センター側は「改善して再開したい」と説明するが、時期は決まっていない。

豚の血を採る作業場。気絶した豚が写真右から左上へ流れていく=名護市食肉センター

 厚労省の基準は①採血後すぐ4度以下に冷やす②血液貯留室を作る―などを定めているが、センターは満たしていなかった。センターによると、県北部食肉衛生検査所からはナイフを刺す豚ののどの毛をそることや消毒も求められている。

 豚の血は肉の副産物の扱いで正確な統計はないが、月に1500~2千リットルほどを出荷しているという。

 センターを指定管理するのは畜産関係5社でつくる県北部食肉協業組合。上原守理事長は「関係先にご迷惑をおかけした。食文化を守るため、意識改革をしていきたい」と話した。採血担当の増員などを検討するが、コストが課題となる。

 チーイリチャーを出す店が多い金武町では取り置きの血がなくなり、提供中止が続出している。客の約7割がチーイリチャーを注文するという老舗「久松食堂」では10日に売り切れた。

 店主の宜野智(よしのさとし)さん(54)は「インターネットで食べられなくなるという情報が広がったようで、最終日は注文の電話が鳴りっぱなし。普段の2倍ほどが出て完売になった」と話す。「観光客にも人気が出てきた。なるべく早く出荷再開してほしい」と求めた。