講座やゼミと聞くと、なんとなく堅苦しいイメージがあるが、これは気軽さがいい。沖縄市の商店街の店主や地域の人が“講師”となって、専門的な知識や情報を提供する「コザまちゼミ」

▼商店街のファンづくりを目的に一昨年から始まった手作りの講座。講師自身の魅力を知ることで、その店舗にも愛着が湧く。コミュニケーションを通して地域を好きになってもらう試みだ

▼認知症講座の1こまをのぞいてみた。沖縄市でまちづくり活動やコミュニティラジオのパーソナリティーを務める福嶺初江さん(82)は子育て中の若いころ、60代で認知症を発症した母親を約10年間介護した体験を振り返った

▼認知症という言葉自体もない時代。徘徊など大変な苦労話だが、福嶺さんは身ぶり手ぶりで母親とのやりとりの様子やエピソードなどをユーモアを交えて話す。それが聞きやすく、親近感も生まれる

▼受講者自身も認知症を患う母親の状況を打ち明ける。思いを共有できるからこそ、悩みや感想が率直に言える。介護家族の支援もする福嶺さんは、認知症患者に優しく接することや介護側のリフレッシュ、地域で見守る大切さを説く

▼興味や関心事を通して生まれる会話は温かい。料理や服飾、健康などテーマは幅広いまちゼミ。対話から学べる良さをあらためて実感できる場でもある。(赤嶺由紀子)