来場者の視線が、ガラスの向こうに横たわる約2万7千年前の人骨に注がれていた。頭蓋骨、下あご、背骨など、洞窟の中で、長い年月を経たことが信じられないほどきれいな状態だ

▼西原町にある県立埋蔵文化財センターで開かれている石垣市の白保竿根(さおね)田原(たばる)洞穴遺跡で見つかった人骨の一般公開初日。小学生から大人まで幅広い世代が会場を訪れていた。午後2時すぎには100部用意した資料が空っぽに

▼関心の広がりは県内にとどまらない。全国紙でも大きく報道されたせいか、那覇空港からセンターまでの経路を教えてほしいとの問い合わせもあったという

▼展示されているのは4体。中でも「白保4号人骨」という男性の人骨は全身が分かる形。骨に残っていたコラーゲンの分析が、国内最古の人骨との決め手になった

▼人骨の状態からセンターは遺跡が「国内初確認の旧石器時代の墓域」だと発表。研究が進めば、他の旧石器時代人骨との関連や、日本人の起源に関わる新発見への期待も出てくる

▼複数の骨で下より上の歯がすり減っている特徴も判明。海女など日常的に潜水する人特有の耳の骨の変形があることも分かっている。沖縄の旧石器時代にどんな暮らしがあったのか。その時代に生きた人々は私たちの祖先とどう関わるのか。想像の翼が広がる。公開は28日まで。(玉城淳)