米ハワイ島ウポル空港で海兵隊ヘリMV22オスプレイが、環境影響評価で認められていない過剰な訓練を実施し、地元住民らの抗議で訓練中止に追い込まれていたことが明らかになった。

 同空港でのオスプレイの訓練は、2012年公表の環境影響評価で、周辺の遺跡への影響や騒音被害などを考慮した結果、緊急時などに限り使用を年間25回に限定するなどと定められている。

 しかし海兵隊は、米国家環境政策法に抵触するリスクを承知で3カ月間で約800回という過剰訓練を実施した。なぜか。

 米軍側弁護士は、ウポル空港でのオスプレイ訓練を中止し、来年以降はアセスで定められた内容に従うと住民側に通知する一方で、新たな計画に基づいた環境影響評価が近く実施される可能性も示唆している。

 ハワイ在住ジャーナリストのジョン・レットマン氏は、オンライン外交誌ディプロマットへの寄稿で、ホノルル市北西のカウアイ島では、環境影響評価に先駆け、地元住民が海水浴を楽しんでいる砂浜に突如オスプレイが現れ、飛行訓練をした実例などを挙げ、アジア太平洋地域でのオスプレイの訓練拡大計画が静かに進行していると指摘する。

 騒音や強風を伴うオスプレイの訓練は、環境規制の網が張り巡らされた米本土より、遠く離れた島々のほうが訓練しやすいということなのかもしれない。

 13年1月28日。県内41市町村の代表らは、政府へ提出した「建白書」の中で「米本国やハワイにおいては、騒音に対する住民への考慮などにより訓練が中止されている」と盛り込み、沖縄へのオスプレイ配備は県民に対する差別だと主張した。

 あれから4年以上の月日が流れ、名護市では恐れていた墜落事故も起きたが、オスプレイの訓練を規制するすべはないままだ。

 一方、首都ワシントンでは、米連邦議会で影響力を持つマケイン上院議員らがアジア太平洋地域における予算増を検討するなど、オスプレイを主力機種に据えた海兵隊の戦略を支える体制が構築されつつある。

 沖縄が担わされている軍事的役割もまた静かに拡大している。(平安名純代・米国特約記者)