国立劇場おきなわの三線音楽公演「島唄の響き~世替りや沖縄~」が13日、浦添市の同劇場であった。沖縄の日本本土復帰45周年を記念した公演。知名定男、大城美佐子ら重鎮の歌い手たちが明治から昭和期に生まれ、曲折の時を民衆に寄り添った歌曲を熱く歌い上げた。(学芸部・松田興平)

幕開けの「廃藩の武士」を歌う大城美佐子

「南洋小唄」や「白黒節」などを味わい深く歌った知名定男=浦添市・国立劇場おきなわ

幕開けの「廃藩の武士」を歌う大城美佐子 「南洋小唄」や「白黒節」などを味わい深く歌った知名定男=浦添市・国立劇場おきなわ

 知名、大城、大工哲弘、伊波貞子、松田弘一、徳原清文、饒辺愛子、我如古より子、でいご娘、前川守賢、島うた少女テンの人気の面々が出演した。戦前、戦中・終戦直後、アメリカ統治下時代と3部構成に分けて役者の八木政男、吉田妙子を案内役に進行した。

 大城による、武士の悲哀を歌った「廃藩の武士」で幕開け。第1部終盤、知名の「南洋小唄」では移民の故郷を思う気持ちを切々と三線の旋律に乗せ、哀愁をじんわり漂わせる。

 でいご娘は第2部のトリで、戦争の悲しさを軽やかな曲に乗せた「艦砲の喰ぇー残さー」の奥深い味わいを披露。傷を抱えながらも前を向く庶民のしなやかな力強さを歌に溶け込ませた。

 第3部は、米軍統治下の沖縄の希望や憤りをにじませる作品が連なった。現在も各所で歌われる「沖縄を返せ」を大工は重厚感たっぷりに歌い、会場をひきつけた。

 また、メッセージ性の色濃い作品のほか、柔らかな曲目も織り交ぜられた。「軽便鉄道」は島うた少女テンが歌い、安座間本流大北満之会の子どもたちが踊りを担当して愛らしい表現で花を添えた。前川によるコミカルな「うちなー歌謡漫談」も公演のアクセントとなった。