国家資格の「介護福祉士」を育成する県内四つの専門学校すべてで、定員割れが続いている。

 介護福祉学科の定員は合わせて160人だが、2017年度は前年度に引き続き5割を切るなど深刻な状況だ。

 介護現場のリーダーとなる専門職の卵が先細っては老後の安心にも黄信号がともる。介護福祉士は介護職の中でも専門性が高い。高齢者や障がい者の介助、医療的ケア、生活援助などを行う仕事だ。

 13年度には128人いた介護福祉学科の入学者が17年度には74人にまで落ち込んでいる。定員を半分にした専門学校もあるほどだ。

 なぜか、理由ははっきりしている。介護職員を取り巻く「低賃金・重労働」という厳しい労働環境が要因である。介護業界が学生らのマイナスイメージを払(ふっ)拭(しょく)することができていないことも関係している。

 国の処遇改善加算などで介護職の待遇は少しずつ良くなっているが、それでも全産業の平均より月額8~10万円も低い。

 さらに県内の介護職は他府県と比べても賃金が低い。

 介護労働安定センター沖縄支部が実施した15年度の介護労働実態調査によると、介護職員の月額の平均賃金は19万5千円で、全国の平均21万8千円に及ばない。

 介護職員の「働く上での悩み」は、「人手が足りない」(50・2%)、「仕事内容の割に賃金が低い」(39・9%)と続く。人手が足りないことによるしわ寄せで精神的・肉体的な負担が大きく、その割に、賃金が低いという悪循環に陥っている。

■    ■

 厚生労働省の推計によると、全国では団塊の世代が75歳以上になる25年度に、253万人に上る介護職員が必要になるが、38万人が不足する恐れがある。

 沖縄県でも2万2千人の需要に対し、4千人余りが不足するとみられる。

 超高齢社会の到来で、介護の需要は高まる一方なのに、職員が圧倒的に足りなくなる現実が待っている。

 介護職員の育成を急がなければならない。県も高校訪問やイベントに取り組む専門学校に予算を補助している。

 専門学校も独自の奨学金制度を新設するなど学生集めに躍起だ。

 しかし、高校新卒者の確保は簡単ではない。専門学校4校が連携を強める必要がある。仕事の楽しさや魅力を実際に介護に携わっている職員から具体的に聞く機会を多く設定するのも一案だろう。

■    ■

 介護労働安定センター沖縄支部の調査によると、介護の仕事を選んだ理由は「働きがいのある仕事だと思ったから」が54・0%と最も高い。

 超高齢社会では誰もが介護の世話になる可能性がある。介護職を高校生らに「選ばれる職業」にするには、「低賃金・重労働」の現状を改善する必要がある。それが私たちの老後の安心にもつながるからだ。

 志を高く持った若者の「働きがい」が持続するような介護職の制度設計をするのは、国の責任である。