沖縄県名護市我部祖河にある古民家「東ん門小(あがんじょうぐゎー)」は、1901(明治34)年に建てられた。市文化財保存調査委員の岸本林さんによると、赤瓦民家としては市内に現存するもので最も古い。100年以上前に作成された法事日程台帳なども保管されており、岸本さんは「東ん門小には新築祝いをした当時の書類が残されている。家屋も古いが、明治時代の諸台帳があることはとても珍しい。大変貴重です」と絶賛する。(玉城学通信員)

築116年の赤瓦古民家「東ん門小」と羽山英人さん=名護市我部祖河

フクギの植樹日を記した石

新築祝い台帳(右)と法事日程台帳

築116年の赤瓦古民家「東ん門小」と羽山英人さん=名護市我部祖河 フクギの植樹日を記した石 新築祝い台帳(右)と法事日程台帳

 屋根には煙を排出するための穴が3カ所工夫されている。正面の軒柱「ぱぎぱやー」が5本。屋内の柱にはイジュ、仏壇にはチャーギ(イヌマキ)が使われている。

 また、屋敷囲いのフクギが1894年に植樹されたと記された石や、1901年の棟上げ「首尾祝」台帳、04年に作成された法事日程台帳なども保管されている。

 東ん門小は新城家2代目の故・新城吉次郎さんが43歳で建てた。孫の故健三さんが84歳で他界する5年前まで住んでいた。現在は健三さんの長女竹美さん(61)の夫・羽山英人さん(64)と、竹美さんの弟正司さん(52)らで風の入れ替えをし、仏壇を守っている。

 小さい頃によく遊んだという近所の平良功さん(82)は「母屋のそばには便所と豚小屋が一緒になったフールがあった。子どもたちは皆ここで遊んでいたよ」と笑顔で話した。

 羽山さんが健三さんに聞いた話では、45年4月から7月まで具志川や名護の人が80人ぐらい疎開していたという。羽山さんは「10年前から老朽化が激しくなっている。雨漏りも目立って、屋根にはススキも生えている」と話した。