こんな眺めがあったのかと新鮮だった。沖縄市のアーケード商店街「一番街」にある築40年余の建物の屋上から見下ろした景色。一直線に伸びるアーケードの裏側は、映画のワンシーンを彷彿(ほうふつ)させる

▼空き店舗だったこの3階建ての建物が、改装でホテルに生まれ変わった。おしゃれなたたずまいが目を引くが、違和感なく商店街に溶け込んでいるのが面白い

▼なぜ商店街か。ホテルを運営するまちづくりNPOコザまち社中の照屋幹夫理事長が描くのは、単に宿泊施設を増やすことではない。「若者たちが活躍しやすい場、環境を提供したい」との思いからだ

▼ホテルのデザインや運営も多くの若者たちがかかわる。若者が活躍することで、さらにやる気のある若い力を呼び込む-。そんな循環を生み出し、まちづくりのモデルにしたいと意気込む

▼1階のカフェは宿泊客以外でも利用できるくつろぎの空間。商店街の店主らと連携し、三線作りなど体験型メニューも用意する。県内外だけでなく、アジアなど海外からの誘客で、新たな交流拠点を目指す

▼商店街の衰退は全国でも共通の課題だ。「目の前にあるものを資源化することで新しい可能性を生む」。照屋理事長は既存のホテルや店舗への刺激になってほしいとも願う。新たな息吹が商店街の魅力を生む力になることを期待したい。(赤嶺由紀子)