50歳時点で一度も結婚したことがない人の割合を示す「生涯未婚率」の上昇が続いている。特に沖縄はその傾向が顕著だ。

 国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、2015年の生涯未婚率は男性23・37%、女性14・06%。10年の前回調査より男女とも3ポイント以上増え、過去最高を更新した。

 都道府県別では、男性は沖縄が26・2%と最も高く、岩手、東京と続いた。女性は東京の19・2%がトップ、沖縄は16・36%で5番目に高かった。

 県内の男性のほぼ4人に1人、女性のほぼ6人に1人が生涯未婚となる。

 沖縄は出生率が全国一にもかかわらず、未婚率も高いという結果である。早婚で子どもが多い人と、生涯独身の人の二極化が進んでいるということか。

 「結婚する、しない」はプライベートな問題で、多様化する生き方の選択肢の一つである。「結婚して一人前」といった社会的圧力が弱まり、個人の自由な意思決定の結果、未婚率が上昇しているとすれば、他人がとやかく言うものではない。

 むしろ生涯未婚率の高さが、人口減少や少子化対策の文脈で危機感をあおるように叫ばれていることに違和感を覚える。

 一方、見過ごしてはならない現実もある。雇用が不安定で、生活が苦しいため、結婚に踏み切れない人たちがいることだ。

 生涯未婚率上昇の背景を丁寧に分析する必要がある。

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 同研究所の別の調査で、18~34歳の独身男女の90%近くが「いずれは結婚したい」と考えていることが分かっている。  

 結婚したい人の割合は過去の調査同様高水準だが、その意思に反して未婚率が上昇しているのだ。

 壁となっているのは、結婚資金や結婚のための住居の確保などである。男性の場合、正社員と比べ失業者や非正規労働者の未婚率が高いというデータもあり、未婚化の主な原因に経済問題が挙げられる。

 沖縄は失業率、若年無業者率、非正規雇用率などが全国一高い。不安定な雇用が結婚を遠ざける一因となっていると推測される。

 正社員になれないため収入が低く、結婚したいが踏み出せないというのは、本人の努力だけでは解決できない問題である。

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 「希望出生率1・8」を掲げる安倍政権が結婚支援に本腰を入れ始めたことで、このところ自治体による「官製婚活」が急速に広まっている。

 少子化に対する危機感の表れなのだろうが、行き過ぎた婚活が結婚への圧力を強めることにならないよう取り組みは慎重であってほしい。

 行政が主眼を置くべきは働き手の4割を占める非正規労働者の処遇改善や生活時間を確保するための長時間労働の是正など働き方改革である。

 深刻な待機児童の解消や家計に重くのしかかる教育費負担の軽減など子育て支援にももっと踏み込むべきだ。