登場人物の半分以上が盲人。なのに日本語吹き替えなし、字幕のみの中国映画を売り込まれ「これでは目の不自由な方がいらしても作品を理解できない」と憤慨。でも、感動したので上映を決めた。

「ブラインド・マッサージ」の一場面

 舞台は南京のマッサージ院。大勢の盲人がそれぞれ事情を抱えながら支え合い働いている。「美しすぎる」という評判を「無意味だ」と吐き捨てる者。美しさを知りたいと渇望する者。駆け落ち同然で転がり込んできたカップル。欲望・愛憎・悲哀。全寮制の小さなマッサージ院で人間のサガやゴウが渦巻く。

 特徴的なのは、非常に近い彼らの特殊な距離感。親兄弟だったとしても、あの距離で人と接し続ける勇気はない。必然とはいえ、他人を受け入れる心の広さと強さを感じたと同時に、人間は本来このくらい近くで助け合うべきなのかもしれないと思い始めた。(桜坂劇場・下地久美子)

 ◇同劇場で5月27日から上映予定