沖縄県内最高齢の現役写真家として、戦後沖縄の風景や庶民の日常にカメラを向け続けた山田實(やまだ・みのる)さんが27日午後1時55分、肺炎のため糸満市内の病院で死去した。98歳。兵庫県生まれ、那覇市育ち。自宅は那覇市久米1の1の14。29日に通夜、告別式は31日午後2時から2時45分、那覇市松山1の9の1の大典寺で。喪主は長男、勉(つとむ)さん。

愛機のフィルムカメラを手に、思い出を語る山田實さん=2013年8月28日、那覇市久米

 県立第二中学校(現那覇高校)、明治大学専門部商科を卒業。1941年に入社した日産土木で満州(現・中国東北部)勤務となった。戦中は満州で関東軍に召集され、終戦後はソ連軍の捕虜として2年間、過酷なシベリア抑留を経験した。

 沖縄に戻り、大学時代の知人の勧めで54年に写真機店を開業。琉球政府ビルを撮った作品「光と影」が琉球新報社の写真展で特選となり、写真家として本格始動した。復興する沖縄の姿を見つめ、米軍基地や復帰運動などの政治問題よりも、庶民の暮らしや街並み、自然の変化などにこだわって撮影を続けた。

 県内の写真家でつくる沖縄ニッコールクラブ創設(59年)や、沖展写真部の発展にも尽力。78年に沖縄タイムス芸術選賞大賞、2003年に沖縄タイムス賞。13年度には県功労者表彰を受けた。

愛機のフィルムカメラを手に、思い出を語る山田實さん=2013年8月、那覇市久米