2017年(平成29年) 12月12日

大弦小弦

〔大弦小弦〕出会い系バーに文部科学省の前事務次官、前川喜平氏が通っていた・・・

 出会い系バーに文部科学省の前事務次官、前川喜平氏が通っていた。「女性の貧困の実地調査」だったと説明している

▼店は売買春の温床とされる。教育行政の事務方トップとしては軽率な行動と言える。ただ、発覚の経緯は異様だった。その限りでは違法ではない「出入り」について、読売新聞が突然大きく報じた

▼加計(かけ)学園の獣医学部新設は「総理の意向」と書いた文科省の文書が明るみに出た直後のタイミング。前川氏が「文書は確実に存在した」と爆弾証言する直前だった

▼記者会見で「権力側の脅しと思うか」と聞かれた前川氏は、「そんな国だとは思いたくない」と希望だけを述べた。首相官邸が昨秋の段階でバーへの出入りを把握していたことは分かっている。監視か調査か密告か。今になって、誰が読売新聞に伝えたのか。不気味さが募る

▼権力はピンチになれば何でもする。沖縄返還交渉の日米密約を暴いた記者が逮捕された事件では、検察が起訴状に「情を通じ」と書いて男女の問題にすり替えた。メディアも世論も見事に流されてしまった。密約は事実だったのに、裏付けまで30年もかかった

▼菅義偉官房長官が「ああいう場所に行くか」などと前川氏を個人攻撃している。躍起になるのはやはり裏があるのではないか。それはそれ、これはこれ。もう惑わされない。(阿部岳)

ルポ 沖縄 国家の暴力 現場記者が見た「高江165日」の真実
阿部 岳
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