開発中の最新兵器の実用化に向けた試験訓練を行う米海兵隊の実験部隊が米軍キャンプ・ハンセンに到着している。

 周辺自治体や県からは「気味が悪い」との不安とともに、「どんな訓練なのか全然把握できていない」と情報開示を求める声が上がっている。

 実験部隊の訓練期間はどのくらいなのか、最新兵器とは具体的にどのようなものなのか、どこで試験訓練をするのか、なぜ沖縄でやらなければならないのか、米海兵隊は一切明らかにしていない。

 米軍の最新兵器はハイテク化や無人化などが特徴だ。戦闘地域で危険な任務を担い、兵士の犠牲を最小限に抑えるのが目的である。

 実用化が進む無人機(ドローン)やロボットなどは、戦闘の在り方を根底から変えるものだ。

 沖縄に到着した実験部隊は米カリフォルニア州の第1海兵師団第5海兵連隊第3大隊(キャンプ・ペンドルトン)。通称「ダーク・ホース」と呼ばれる。

 同大隊の歴史は古く、米海兵隊から昨年2月、実験部隊としての新しい任務を与えられた。初期の試験はカリフォルニア州などで行われ、これを受けて沖縄では第31海兵遠征部隊(MEU)とともに、実用化に向けた試験を行う。

 最新兵器はいずれも試験段階であることから事故を引き起こす可能性が否定できない。兵器が民間地域に飛び出し、住民の安全を脅かす懸念が拭えないのである。

 米海兵隊は「安全保障上の理由」から情報を開示しないが、とても納得できるものではない。

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 基地の中は「ブラックボックス」のようである。

 射撃音は聞こえるが、何が行われているのかは不明。周辺住民の健康にも影響する環境汚染事故も外からはうかがい知れない。

 実際、キャンプ・ハンセン内の安富祖ダム工事現場では今年4月に米軍の銃弾とみられる物が車や水タンクを損傷したばかりだ。

 米軍嘉手納基地では2015年、発がん性物資を含む泡消化剤が民間地に流出した事故で、米軍は日本側に通報さえしていなかった。

 基地と隣接する民間地に住む住民は、基地内で何が起きているのか全く分からないという不安が消えない。

 米本国ではキャンプ・ペンドルトンのように広大な基地や訓練場が広がり、住民生活に影響を及ぼすことはほとんどない。基地の在り方が根本的に違うのである。

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 主権が侵害され、自治権が制限されているにもかかわらず、米軍にこのような特権的な地位を与えているのは、日米地位協定・関連取り決めで基地の「自由使用」が認められているからだ。

 県は周辺住民に影響を及ぼすような部隊の配備や訓練について日米間で取り上げ、関係自治体の意見を聞き、その意向を尊重するような仕組みづくりを求めるべきである。

 日本政府は米軍に対し情報開示を徹底するよう働き掛け、県も県民の安全のため情報収集を急ぐべきだ。